「よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話」を読んで

 

 

よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話 (ヤングマガジンコミックス) 

 さて、昨日この本(漫画)を読み終わった。裏表紙には、「個人には信仰の自由があり、特定の宗教を否定する意図はありません」といった意味合いの言葉が書かれていて、第一印象は「配慮されているなぁ」だった。

 しかし、読み始めるとがっつりエホバの証人の話で驚いた。宗教名は隠すと思っていたからだ。作者自身の話ともあって、実際に生まれた頃から特定の宗教を信仰させられると、日常、特に学園生活でこんな目に合うといった話が数多く盛り込まれ、恋愛を自由にできない様が歯がゆく思えた。

 また、本書は体罰と思われるような描写がいくつかあり、娘を鞭代わりのベルトで殴る母の描写や、生まれてまもない子に対する折檻の音だけ聞こえる場面などがあって非常に辛かった。

 読み終えて真っ先に思いついた。この本は、「親からの信仰の強制という歪んだ愛の形を捨てた娘の話」だ。